日常

彼女は正社員

投稿日:

彼女は正社員。
 
 
夜勤から帰ると彼女はもういない
彼女が帰ってくる頃俺はもういない

すれ違う生活。
 
 
 
たまに合う休みでも
楽しそうな職場の同僚の話をされて
なんだか勝手に劣等感を覚える

こっちは音楽もバイトも何も変化はない
あるとすれば悪い方向にしかない
 
 
 
すれ違う生活。
 
 
彼女に悪気もなく、

「この先一生その仕事でいいの」

なんて言ってしまった
 
 
 
心の中でどれだけ笑われたんだろう
お前が何言ってんだよって

相手のことを思ってないのが見透かされてるのか
ただ自分が捨てられるような気がしていたのか

フリーターという沼に落として
お金のない不安を味わえとでも言いたかったのか
 
 
どれもこれも汚れている
 
 
彼女は言った

「少なくともあと3年は続けようと思ってる」
 
 
 
この先どうなるんだろう
 
 
「あと2年頑張る」

って言ったバンドマンの自分との
言葉の意味も重みもまるで違う
 
 
なんとなく生きてきた

いつ死んでもいいやなんて思いながら
なんとなく生きてきた
 
 
 
その日は
なんとなくセックスをしながら
 
 
「この先どうなるんだろう」
なんて口に出していた
 
 
最低だ

この先ってどこだ
 
 
未来はないと生きてきたのに
現れ始める未来に
自分だけが取り残されてる気がした
 
 
いろんなことが
いろんな意味で最低だ

たくさん汚れている
 
 
夜勤へ行く前、
これみよがしにトイレ掃除をした
 
 
彼女が帰ってきた時に
少しでも自分がいた証拠を残すように
汚れを消していた
 
 
バイト中、
彼女からは特に連絡はこない

「頑張ったね」
とでも言って欲しいのか

本当にたくさん汚れている。
 
 
今日も自分がいたと気付かれるように
違うところを掃除しようじゃないか。

こんなクソみたいな考えも消えてなくなるくらいに。
 
 
 
 
 
 PS


最近家でヒモみたいな気持ちになる
   
  
  
 
 
 
PS2


彼女に「暗くて面白くない」って言われたので
いつか同じ内容で超ポップに書き直してリベンジしたい

    -日常

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