アテ振りの夜

TV演奏初出演！
 
 
悔しい！悔しい！悔しいッ！！
 
 
あまりの悔しさに泣いた！！マジで！！
 
 
 
 
 
「当て振り」という言葉がある。
 
 
 
当て振りというのは
実際には演奏しないで
流れているオケに合わせて
弾いてるフリをするというもの。
 
 
そう…
 
 
テレビ出演に際して俺たちは
当て振りをしたのだ！
  
  
悔しかった！！
 
 
 
テレビって本当にものすごいたくさんの人が関わっていて
たった２分くらいを撮影するのにも
みんなが何時間もかけて準備をして撮影にはいって。
 
 
分刻み(盛った)で動いているから
俺らみたいな売れてないバンドが
音のチェックとかいちいちできない。
 
 
だから元々あるオケに合わせて歌うのが一番確実で早い。
 
 
これが一番正しい。
わかっている。
 
 
わかっていても、
 
それでも悔しかった。
 
 
 
せっかくバンドをやっているのに
こんなに演奏技術のあるメンバーなのに
 
当て振りをせざるを得ない状況にいる自分がダサくてしょうがなかった。
 
 
 
 
ギリギリになって
 
 
「当て振り嫌です…」
 
 
なんてほざいたもんだからそりゃメンバーにすらも相手にされなくて
夜中にめちゃくちゃ悔しくて泣いた
 
 
 
なんでバンドやってんだろうって。
カラオケするためにやってんのか？って
 
 
 
俺の憧れたバンドたち、
 
サンボマスターだったら
銀杏だったら
絶対そんなことしないだろって
 
 
大好きだったB’zが当て振りしてた時、
あんなにショックだったのを忘れてないだろって
 
 
 
泣いて泣いて泣いて
 
 
 
泣いてもしょうがないってわかって。
 
 
できることをしようと思って。
 
 
 
 
俺はボーカルなんだから
ボーカルだけはやらせてもらえるんだから、
 
 
自分にできることを考えようって。
 
 
 
 
…だから、
 
 
 
 
みんなの演奏中に「うんこ」っていれよう…
 
 
 
そう思い立った。
 
 
 
 
 
いったいなんのパンクス精神なのかわからないが、
どう考えても頑張る方向が違うと思うが、
 
俺にできることはうんこしかないと決意して収録に臨んだ。
 
 
 
 
 
 
 
当日、スタジオ。
 
 
 
みんなが一生懸命番組を作っている。
 
 
 
でも、俺だって一生懸命にバンドを作ってきたんだ。
 
 
 
 
 
爪痕を…刻め…！
 
 
 
 
 
撮影は本番一度きり。
 
 
 
 
 
ドラムとベースソロの間に
小さく、「うんこ」と囁いておいた。
 
 
 
 
無事に収録が終わり、
昨日1/30深夜の放送。
 
 
夜勤の休憩所のテレビ前で見守った。
 
 
 
 
俺の「うんこ」は果たして流れるのか…
 
 
 
自分の小さなロック魂は…残されているのか…
 
 
 
 
 
 
 
…
 
 
 
 
 
残っていなかった。
 
 
うんこは残っていなかった。
 
 
映像も音声も
バンドにそぐわないほど綺麗に流れていった。
 
 
 
なぜだ…
 
 
 
録音時にあまりに小さい音でマイクに乗らなかったのか、
 
それとも、
スタッフさんが編集時に
うんこをキレイに消したのか。
 
 
 
悔しいッ！！
 
 
 
でも…ありがとう…これで…よかったんだ…
 
 
 
これからも戦いは…きっと続いていく。
 
 
 
 
譲れないものを捨てたり、
また、見つけたりしながら。
 
 
 
大事なのは、流されないこと。
 
 
 
 
うんこのように。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
PS

夜勤中に一緒に働いていたウラニーノのやまぎさんに、
 
「この時間から見たい番組がある」
と言ってテレビ見てたんだけど
 
放送、ほとんどジャニーズだったから
ジャニーズ大好きな人みたいになってしまった。
 
 
 
テレビの人は本当きさくな人でね…
こういう人がいるならありがたいなと思ったし、
なにより…弁当がめちゃくちゃうまかった…。
他の人たちの収録とかもみれてたくさん勉強になった。
 
まだまだ知らないことがたくさんある。
勉強あるのみ。
 
 
最近はマヤ文明についてばかり調べている。