思ったことを人に伝えること、
めちゃくちゃ怖い！！
でも創作をする人間は
それができないとダメだって
BECK(漫画)で言ってたんだ。
だから、俺なりの方法で
人に伝えたんだ…。
たとえ卑怯者と言われても。
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ツアー名古屋編。
朝5時起きで渋谷に向かう。
祝日の早朝の電車が好き。
なんせ空いているから。
最近バンドをやってて1番嫌だなって思うこと
満員電車。
満員の中にギターやらエフェクターやらのでっかい荷物を持って乗ると
本当に他の人の目が怖い。
特にサラリーマンたち。
サラリーマンたちの目が話しかけてくる。
「てめえバンドマン、
俺たちがこんなになって働いているのに
道楽を車内に持ち込みやがって」
という心の声が聞こえてくる。幻聴。
幻聴なのはわかってるんだ。
でも大丈夫。
いつギター折られてもしょうがない覚悟で電車に乗ってる。
だから祝日はとても快適。
寒い日に座れるのほんと最高。
なんか足元からあったかいの出てて
眠くなってくるの本当に最高。
そう思って乗った早朝の電車。
なにか変だった。
あまりに空きすぎている。
最高のはずの車内に
おかしな空気を感じる。
まあいいや、最高！！
と座った隣をみると、
「座るの最高！」を超えてしまった、
「寝るの最高！！」
になってしまったやつがいた。
そう、完全に横になって寝ているやつがいるのだ。気持ちよさそう。
見た目はヤンキー。土木系ヤンキー。
三連休の最終日、
きっと朝まで飲んだんだろう。
むむむ…
こういう時、悩む。
「この男が悪いことをしているか？」
というとよくわからない。
すんごい混んでる中だったらよくないけど
ガラガラの車内だから。
優先席をみんなが遠慮して座らない感覚に似てる。
ルールじゃなくて、モラルの問題
モラルってなんだろう。
モラル…
モラウ…
モラウってキャラいたな…
とハンターハンターについて考え始めたころに気づいた。
こいつはモラルに反している！！
このヤンキー、
土足で席に寝ているのだ。
これは…よくない…他の人も座るから。
その時俺はわかったんだ。
変な空気の正体、それは…
周りの俺への視線だったんだ。
周りの人はヤンキーではなく、
俺をみていたんだ。
聞こえてくる。
「てめえ、バンドマンだろ？
言いたいことを言えないままでいいのか？」
「私たちは一般人だから注意はしない。
でも、お前はバンドマンだろ？」
幻聴…ではない。
聞こえてくるのは周りのではなく、
自分の心の声。
いつもはギター折りに来るくせに
こんな時は心を折りにきやがる
人に注意する？
そんな大それたことを俺ができるのか？
怖い。
こんなヤンキーにとっても悪者になりたくないのだ。
知らないやつに朝から殴られたくもないのだ。
しかし、ここで言えなかったら
妙な敗北感を抱えてツアーに行かなければいけない。
…
勇気。勇気がほしい。いつだって。
ヤンキーは寝返りをうつと被っていた帽子が落ちた。
ハゲていない。クソッ！！
…私は卑怯者だ。
ガラガラの車内で視線に耐えながら
何もせずにじっと待った。
降りる駅についた。
電車のドアが開く。
なにもせずに降りる。
と見せかけ、
瞬間に帽子を拾ってあげて
「落ちてますよ」
といい人ぶり、
そいつの両足を席から降ろした。
ヤンキーは起きたが、
もう遅い。
逃げるように車内から降りた。
これで殴られることもない。
私は…
勝ったのだ。
車内から
そして心の中から声が聞こえる。
「てめえ、バンドマン。やるじゃねえか」
と。
「卑怯だけどね」
とも。
PS
名古屋編、書こうと思ったら三日分くらいかけるんじゃないか？
「卑怯者」と聞こえてきたけど
もしかしたヤンキーもいい人で
「帽子拾ってくれて、起こしてくれてありがとう」
とも聞こえた。
いろんな人がいる。
自分の中にさえも。
とりあえず名古屋ありがとうございました！
名古屋レポは…中編に続く……
PS２
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まじでバンド史上一番きてる！ありがたすぎる！！
最近はマジでじゃなくて「ガチで」って言うらしい！マジで？
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