日常

人に注意をするのはとても難しい

投稿日:

チャックが開いている。
  
 
 
バイト中、
患者の付き添いできた家族の
大事なところのチャックが開いていた。
 
 
太りすぎて耐えきれず開いてしまっているのか
慌てすぎて閉め忘れてしまったのか
新しいファッションなのか

なんにせよ大きく空いている。
 
もう少しでナニかが出てきそうなほどに。
  
 
  
面白くて、つい同僚に話してしまったし、
なんなら引き継ぎまでしようとしてしまった
 
 
 
そして気づいたんだ
 
 
こういうのが「いじめ」と言うんじゃないのか
 
 
人の失態をさも面白おかしく。
陰でコソコソと笑いものにして。
 
 
最低だ
 
 
 
 
いや…まだ最低じゃない!
 
 
 
 
少しだけ勇気をだして、家族のもとへ向かった。
 
 
 
陰でこそこそと話すより
耳元でしっかり伝えるべき言葉がまずあるんだ
 
 
 
「チャック…開いてますよ」
 
 
 
すべてのチャックは閉められ、
笑顔がこぼれた
 
 
バイトのタイムカードも締め、
夜勤を終えて、外にでる。
 
 
 
体は疲れているのに
なんだか心が晴れている
 
 
 
まるで朝日までも俺のために上がってくれてるようだ
勇気をだせた俺を祝福してくれているような朝だった。
 
 
人は心に闇を抱えたままでは
太陽の下、生きていけないのかもしれない。
 
 
やましいことなく、生きていきたい。
悪いことをせずに正しく。
 
 
 
そんなことを思い、なんとなく股間に手を当てた時、
 
 
 
俺のあそこのチャックは全開だった。
 
 
完全に開いていた。
中身が出ているんじゃないかと思うほどに。
 
 
 
どの面さげて
「チャック開いてますよ」
 
と言っていたんだろう。
 
 
 
開いているのはお前だ
きっとお前も陰でコソコソ笑われていたんだ
 
 
 
深淵をのぞくとき、深淵からものぞかれているし、
 
チャックを注意する時、チャックもまた開いているのだ。
 
 
 
シ・ニーテェ

    -日常

    執筆者:


    1. 匿名 より:

      シ•ニーテェすきです。
      そういうギャグと思われてた可能性があってイイですね☺

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