深夜4時。病院の受付でバイト。
11日の弾き語りに備えて
さあ、歌詞を書こうと思っていた矢先、
救急車がきた。
88歳のおじいちゃん。
今さら、というか
きっと死ぬまで考えるんだろうけど、
死ぬ、ってなんだろう
同じくらいの歳のおばあちゃんが付き添いで来た。
おばあちゃんは、ちょっとボケているのか
おじいちゃんが死んだことにもあまり反応がないし、
自分が妻なのかもよくわかってない
死ぬ、ってなんだろう
人っていつ死ぬんだろう
そのあと家族たちがきて
亡くなったおじいちゃんのいろんな話をしていた
その姿はおじいちゃんを思い返してるようでもあり、
おばあちゃんに思い出させるようでもあった
深夜4時、
おじいちゃんはもうこの世にいないけど
いま、彼らの話の中でたしかに生きている
今までこそ、生きていたんだけれど
死んで初めて生き返ることもあるのかな
死ぬとおなじように
生きる、ってなんだろう
なにかを残すことなんだろうか
朝日も出ない深夜4時、
子どもたちがおばあちゃんを支える姿は
とても眩しく見えた
夜中はやっぱり
なにも考えないほうがいい
死にくらぶればかすり傷
投稿日:2023年2月9日 更新日:
執筆者:カザマ タカフミ