「何も聞こえない」


sakubun

このバンドはここがいいの。
こういう唄を歌ってるんだよ。
感動するから聞いてみなよ。
とか、いろいろな賞賛や紹介などはみんなしてくれていて十分なので、
自分の口からは別なことを。


自分の場合、音楽を聴くということはひどく独占的なもので、
自分のためだけにあるものとして受け取る。
自分の聴き方感じ方で入ってきたものを、おそらくアーティストの想いや伝え方など様々にあるであろう思惑とは違う解釈になろうとも、お構いなしで自分の捉え方で聴く。
あなたがした表現が自分にはそう入ってきた。だからそれは疑う必要がない。
そのため歌詞カードはほとんど見ない。
聴いていてちゃんとした歌詞に聴こえない時はそいつが悪い。自分のかつぜつや発音の悪さをカバーするために歌詞カードを用意したわけではないだろう。
自分が歌詞カードを見るのは、デザイン重視の他は一度聴いてみて好きになった時。
もっと知りたくなって見る。
洋楽なんて自分勝手の極みだ。英語なんてさっぱりわからないのだから。
申し訳ないが、伝えたかったら日本語で歌ってください。
とは言えないので違う聴き方をするが、自分にとってそれでいいならそれも一つの楽しみ方だと思う
。 当然もったいない部分もあるだろうが、知らぬが仏、、という言葉もあるから一概に言えない。

つまり何が言いたいのかというと、3markets(株)の音楽を自分なりでよいのでしっかり聴いてくださいという事です。
僕らの出したいことはもうそこに出ているので、後はあなた次第。僕らの手を放れた音楽がどういう届き方をするの
か、あなた自身で受け取って感じてみてください。
そんな単純な事しか僕からは言えませんが、それをしてくれたのならそれだけで十分ありがたいですし、それで感じ
たものが全てだと思います。
僕らの意思とは関係なく、試しにひどく独占してみてください。
聴くのはあなた自身なんですから。

なにか少しでも残せることを祈って、
自分も再生ボタンを押します。

何も、聞こえない。

何も、聞きたくない。



−3markets(株)横田祐一